ベルギーの国際研究機関であるimec(アイメック)と日本の自動車各社による「自動車用先端SoC技術研究組合(ASRA)」の連携が検討されていることが分かった。自動車の頭脳に当たるハイパフォーマンス(高性能)コンピューティングのアーキテクチャー(構造)に関する業界標準づくりなどがテーマに浮上している。2030年代初めごろに実装されるような技術開発を進める。
アイメックは、半導体など先端技術の世界的な研究機関で、日本を含め各国の企業からも多くの研究員らを受け入れている。日本の半導体新会社、ラピダス(小池淳義社長、東京都千代田区)に協力していることでも知られる。
自動車関連はアイメックが力を入れている分野の1つで、複数の半導体チップを組み合わせるチップレットや、それを最終的に仕上げるパッケージング関連の研究拠点新設を発表している。欧州委員会が打ち出す「欧州コネクテッド・自動運転車アライアンス」とも連携する。
アイメックとASRAの連携案では、日欧で類似の取り組みを進めていることを踏まえ「企業がそれぞれの強みを保ちながら協力できるような統合の仕組みを検討する」(関係者)という。
特にこうした領域では、人材開発や知的財産の保護、アーキテクチャーの設計能力、生産を委託するファウンドリー(受託事業者)の確保といった取り組みが必要になり、こうした課題も含め、連携を進めていく見込みだ。
自動車の高機能化に伴い、SoC(システム・オン・チップ)と呼ばれる半導体の必要性が高まる中、地政学リスクなども踏まえ、車載の先端半導体について互いに「域内で技術や生産能力をある程度、確保していることが望ましい」との認識でも共通しているという。
アイメックのルク・ファンデンホーブ最高経営責任者(CEO)は「欧州も日本も連携して、エコシステム(生態系)づくりを進めることが望ましい」としている。














