〈日刊自動車新聞社100周年に向けて〉自動車文化の華開く 多様なイベントで産業振興

  • 企画・解説・オピニオン
  • 2025年1月1日

 創刊当時の日刊自動車新聞は、数々のイベントを開催し、自動車産業の振興を図った。中でも先見の明があったと言えるのが、32年に東京・日比谷公園で催した第1回「自動車展覧会」だった。創刊3周年の記念行事として開催したもので、テント張りの設営ながら、日本で初めての自動車専門展覧会となった。

 自動車展覧会は翌年から商工省と陸軍省が後援し、「国防と自動車の知識普及展」を兼ねた開催となり、陸海軍の中枢の来場も多かったという。第1回は外国車が中心の展覧会だったが、警視庁の要請を受けた交通事故防止キャンペーンも実施。ポスター5万枚、ビラ200万枚を当局に寄贈した。

 同展覧会は41年の第10回まで日比谷公園で毎年開催し、戦時中の中断をはさみ48年に再開した。戦後初となった第11回展覧会(48年5月)は、運輸省(現・国土交通省)と協力して開催し、会場はGHQから借りた大手町角の空き地とした。その後は東京駅八重洲口広場や、港区芝田村町の日本石油広場などで行い、52年の第15回では日比谷公園に会場を戻した。53年の第16回は会場面積も3千坪にまで拡大して盛況となったが、翌年から自動車工業4団体に開催権を委譲。「全日本自動車ショウ」(後の東京モーターショー)として開催されるようになり、今日の「ジャパンモビリティショー」につながっている。

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